OBS設定④:マイクの設定(ノイズ抑制・ノイズゲート・コンプレッサー・リミッター)
OBSにマイクを追加する方法から、ノイズ抑制(RNNoise)・ノイズゲート・コンプレッサー・リミッター・ゲインの順番と目安の数値、自分の声の聞き方(モニタリング)、ミュートのホットキーまでをまとめます。
OBS設定シリーズ
VTuberの配信は、見た目と同じくらい声の聞きやすさが大切です。高いマイクを買う前に、OBSの設定を整えるだけで、ずっと聞きやすくなります。
この記事では、マイクをOBSに入れて、雑音を減らし、声の大きさをそろえるところまで進めます。
※ 2026年10月7日時点のOBS 32.2.2(Windows版)の日本語表示で書いています。数値は「目安」です。マイクや部屋によって合う値は変わるので、最後は自分の耳で確かめてください。
1. マイクをOBSに入れる
まずWindows側でマイクを確認する
- マイクをパソコンにつなぎます
- Windowsの 設定 → システム → サウンド の「入力」で、使うマイクが選ばれていて、話すとメーターが動くことを確認します
- 入力の音量は、まず 70〜100くらい(目安)にしておきます。小さすぎると、OBSで上げたときに雑音も一緒に大きくなります
USBマイクやオーディオインターフェースの場合は、本体のつまみ(ゲイン)で入力の大きさを調整するのが基本です。OBSの公式ガイドでも、音量はまず機器(マイク本体)で、次にWindowsで、最後にOBSで調整するよう案内されています。
OBSにマイクを追加する
方法は2つあります。
- 全シーン共通で使う(おすすめ):設定 → 音声 の「グローバル音声デバイス」にある「マイク音声」で、使うマイクを選びます。どのシーンに切り替えても、マイクが入ったままになります
- シーンごとに追加する:ソースの + → 音声入力キャプチャ を追加し、「デバイス」でマイクを選びます
どちらか片方だけにしてください。両方に同じマイクを入れると、声が二重に聞こえます。
追加すると、画面下の 音声ミキサー に「マイク」の列が増えます。話してみて、メーターが動けばOKです。
2. フィルタで声を整える
フィルタは、音に加工をかける機能です。音声ミキサーのマイクの列で、名前の部分をクリック(または列を右クリック)→ フィルタ で開きます(ソース一覧から追加した場合は、ソースを右クリック → フィルタ でも開けます)。
左下の「音声フィルタ」の + から追加します。フィルタは上から順番にかかります。 この順番がとても大切です。
おすすめの順番
- ゲイン(声が小さいときだけ)
- ノイズ抑制
- ノイズゲート
- コンプレッサー
- リミッター(必ず最後)
この順番にする理由は、次のとおりです。
- 最初にゲインで声の大きさを決めておかないと、あとのフィルタの「どこから効かせるか」の基準がずれてしまいます
- 雑音を消す処理(ノイズ抑制・ノイズゲート)は、声を大きくする処理(コンプレッサー)より前に置きます。後ろに置くと、コンプレッサーで大きくなった雑音まで処理することになります
- リミッターは、それまでの処理をすべて通ったあとの「最後の安全装置」です。OBSの公式ガイドでも、リミッターはチェーン(並び)の最後に置くよう書かれています
ドラッグで順番を入れ替えられます。
① ゲイン:小さい声を持ち上げる
ゲインは、音を大きくするフィルタです。初期値は0dBです。
- マイク本体やWindowsで上げても声が小さいときだけ使います
- 目安:話したときに、音声ミキサーのメーターが黄色の範囲に届かないなら、+3〜+10dB の範囲で少しずつ上げます
OBSの公式ガイドでは、ゲインはできるだけOBSに入る前(機器側)で調整し、ゲインフィルタは補助的に使うよう案内されています。
② ノイズ抑制:エアコンやパソコンのファンの音を消す
ノイズ抑制は、「サー」「ゴー」という一定の雑音を消すフィルタです。「方式」で種類を選びます。
- RNNoise (高品質、CPU使用率高め):初期値で、おすすめです。AIのような仕組みで声と雑音を聞き分けます。設定項目はなく、入れるだけで効きます
- Speex (CPU使用率低め、低品質):パソコンが重いときに。「抑制レベル」(0〜-60dB、初期値は-30dB)で強さを決められますが、強くしすぎると声がこもります
NVIDIAのノイズ除去を使いたい場合は、「ノイズ抑制」ではなく別のフィルタ 「NVIDIA オーディオ エフェクト」 を追加し、「方式」で「NVIDIA ノイズ除去」を選びます。対応するNVIDIAのグラフィックボードと、NVIDIAが配布している音声エフェクト用のSDK(再頒布パッケージ)を別に入れる必要があります。入っていない場合は、フィルタの一覧に表示されません。
まずは RNNoise を入れて、声がこもったりロボットっぽくなったりしないか確認しましょう。
③ ノイズゲート:話していない時の音を切る
ノイズゲートは、声が一定の大きさを超えたときだけ音を通し、黙っているときは音を切るフィルタです。キーボードの音や生活音が、話していない間に入るのを防ぎます。
OBSの初期値は次のとおりです。
| 項目 | 初期値 | 意味 |
|---|---|---|
| 閉鎖しきい値 | -32dB | この大きさより下がったら音を切る |
| 開放しきい値 | -26dB | この大きさを超えたら音を通す |
| 動作開始時間 | 25ms | 開くまでの速さ |
| 保持時間 | 200ms | 声が途切れても開いたままにする時間 |
| 解除時間 | 150ms | 閉じるまでの速さ |
合わせ方:
- 黙った状態で、音声ミキサーのメーターがどこまで動くか見ます(これが部屋の雑音の大きさです)
- 閉鎖しきい値を、その雑音より少し上にします
- 普通の大きさで話し、開放しきい値を、自分の声より少し下にします
- 小さな声や語尾が切れてしまうなら、しきい値を下げるか、「保持時間」を長め(300〜500ms程度、目安)にします
OBSの公式ガイドにも「閉鎖しきい値は雑音より上、開放しきい値は声より少し下」と書かれています。ノイズ抑制が効いていれば、ゲートは控えめで十分です。
④ コンプレッサー:声の大きさをそろえる
コンプレッサーは、大きすぎる声を抑えて、小さい声との差を縮めるフィルタです。叫んだときにうるさすぎず、ささやいたときも聞こえる声になります。
OBSの初期値は「比率 10:1、しきい値 -18dB、アタックタイム 6ms、リリースタイム 60ms、出力ゲイン 0dB」です。初期値はかなり強めにかかるので、声に使うなら次のくらいから始めるのがおすすめです(目安)。
| 項目 | 目安 | 意味 |
|---|---|---|
| 比率 | 3:1〜4:1 | しきい値を超えた分をどれくらい縮めるか |
| しきい値 | -20〜-15dB | この大きさを超えた声を縮め始める |
| アタックタイム | 6ms(初期値のまま) | 縮め始めるまでの速さ |
| リリースタイム | 60ms(初期値のまま) | 縮めるのをやめるまでの速さ |
| 出力ゲイン | +3〜+6dB | 縮めて小さくなった分を戻す |
声が平たく、こもった感じになったら比率を下げるか、しきい値を上げます(-15dBなど)。
⑤ リミッター:音割れを防ぐ最後の壁
リミッターは、設定した大きさを絶対に超えないようにするフィルタです。急に叫んだり笑ったりしたときの音割れを防ぎます。
- しきい値:初期値は -6dB です。声の場合は -3dB前後(目安)がおすすめです。ここを超える音は、すべてこの大きさに抑えられます
- リリースタイム:60ms(初期値のまま)
3. 自分の声を聞いて確認する(モニタリング)
モニタリングは、OBSに入っている音を、自分のヘッドホンで聞く機能です。フィルタの効き具合を確かめるときに使います。
- 設定 → 詳細設定 の「モニタリングデバイス」で、自分のヘッドホンを選びます
- 編集 → オーディオの詳細プロパティ を開きます
- マイクの「音声モニタリング」を 「モニタリング有効」 にします(配信にも流れ、自分にも聞こえる)
確認が終わったら「モニターオフ」に戻しましょう。 自分の声が少し遅れて聞こえると話しにくくなりますし、ヘッドホンではなくスピーカーで聞いていると、マイクがその音を拾ってハウリング(キーンという音)の原因になります。
録画して聞き直すのも、とても良い確認方法です。詳しくは⑥の記事で説明します。
4. ミュートをホットキーで切り替える
くしゃみや家族の声など、とっさにマイクを切りたいときのために、キーボードでミュートできるようにしておきましょう。ホットキーは、キーを押すだけで操作できるショートカットのことです。
- 設定 → ホットキー を開きます
- 上の「絞り込み」に、マイクの名前(例:マイク)を入れると探しやすくなります
- マイクの「ミュート」と「ミュート解除」に、同じキー(例:ゲーム中に使わない
Pauseキーや、Ctrl + Shift + Mなど)を設定します。同じキーにすると、押すたびにオン・オフが切り替わります - 「OK」で保存します
ほかにも、
- プッシュツーミュート:押している間だけミュートになる(せきをする間だけ押す、など)
- プッシュツートーク:押している間だけ声が入る
があります。この2つは、設定 → 音声 の下のほうにあるマイクの項目で「プッシュツーミュートを有効にする」「プッシュツートークを有効にする」にチェックを入れてから使います。
注意点:
- ゲームで使っているキーと重ならないようにします
- 設定 → 詳細設定 の「ホットキーフォーカスの動作」が「ホットキーを無効にしない」になっているか確認します。ここが「メインウィンドウにフォーカスがないときはホットキーを無効にする」だと、ゲーム中にホットキーが効きません
- ミュート中は、音声ミキサーのマイクの列のミュートボタンがミュート表示に変わり、メーターの色が暗くなります。配信を始める前に、ミュートが解除されているか必ず確認しましょう
物理ボタンでミュートしたい場合は、Stream Deckの記事も参考にしてください。
まとめ
- マイクは機器 → Windows → OBSの順に音量を合わせる
- フィルタは「ゲイン → ノイズ抑制 → ノイズゲート → コンプレッサー → リミッター」の順番
- ノイズ抑制はRNNoise、リミッターは最後に -3dB前後(目安)
- モニタリングで確認したらオフに戻す。ミュートはホットキーで
次に読む
次は、配信にBGMや効果音(SE)を流す方法です。
参考
- OBS Knowledge Base「Audio Mixer Guide」 https://obsproject.com/kb/audio-mixer-guide
- OBS Knowledge Base「Noise Gate Filter」 https://obsproject.com/kb/noise-gate-filter
- OBS Knowledge Base「Compressor Filter」 https://obsproject.com/kb/compressor-filter
- OBS Knowledge Base「Limiter Filter」 https://obsproject.com/kb/limiter-filter
- OBS Knowledge Base「Gain Filter」 https://obsproject.com/kb/gain-filter