OBS設定①:インストールと最初の設定(解像度・ビットレート・配信キー・録画形式)
OBS Studioのインストールから、自動構成ウィザード、映像の解像度とFPS、配信のエンコーダとビットレート、YouTube・Twitchの推奨値、配信キーの入れ方、録画の保存形式までを順番に設定します。
OBS設定シリーズ
- OBSのインストールと最初の設定(この記事)
- 画面の映し方と録画の設定
- アバター(Live2D・3D)をOBSに映す
- マイクの設定
- BGMとSEの流し方
- 理想の音量バランス
- シーンとオーバーレイの作り方
- Stream Deckの活用方法
OBS Studio(以下OBS)は、配信や録画に使う無料のソフトです。VTuberの配信では、アバター・ゲーム画面・コメント欄・BGMなどをOBSの中で1枚の画面にまとめて、YouTubeやTwitchへ送ります。
この記事では、OBSを入れてから「とりあえず配信できる状態」になるまでの設定を、上から順番に進めます。画面のメニュー名は、OBSの日本語表示に合わせています。
※ 記事の内容は2026年10月7日時点で確認したものです。確認時点のOBSの最新版は 32.2.2 でした。バージョンが上がると、メニューの場所や名前が少し変わることがあります。
1. OBSをインストールする
- OBSの公式サイト(https://obsproject.com/)を開きます
- 「Windows」のボタンからインストーラーをダウンロードします(Windows版は Windows 10 と 11 に対応しています)
- ダウンロードしたファイルを開き、画面の案内どおりに進めてインストールします
- 起動すると、メニューが日本語で表示されます。英語のままの場合は、ファイル → 設定 → 一般 → 言語 で「日本語」を選び、OBSを再起動します
公式サイト以外からダウンロードしないでください。 「OBS 日本語版」などをうたう非公式の配布サイトには、余計なソフトやウイルスが混ざっていることがあります。
2. 画面の見方(最初に覚える5つの場所)
OBSのメイン画面には、次のような場所があります。
- プレビュー(真ん中の大きな画面):視聴者に見える画面です
- シーン(左下):画面の「セット」です。「雑談用」「ゲーム用」のように切り替えて使います
- ソース(シーンの右):シーンに置く素材(アバター、ゲーム画面、画像など)の一覧です。上にあるものほど手前に表示されます
- 音声ミキサー(真ん中下):マイクやパソコンの音の大きさを見る・調整する場所です
- コントロール(右下):「配信開始」「録画開始」「設定」などのボタンが並んでいます
レイアウトが崩れたときは、ドック → ドックをリセット で元に戻せます。
3. 自動構成ウィザードで土台を作る
初めて起動すると「自動構成ウィザード」が開きます。閉じてしまった場合は、ツール → 自動構成ウィザード からいつでも開けます。パソコンの性能とネット回線を測って、だいたいの設定を自動で入れてくれる機能です。
- 使用情報:「配信のために最適化し、録画は二次的なものとする」を選んで「次へ」
- 映像設定:
- 基本 (キャンバス) 解像度:「1920x1080」を選びます(モニターが違う解像度でも、配信は1920x1080で作るのが一般的です)
- FPS:ゲーム配信が多いなら「60または30のいずれか、可能なら60を優先」、雑談中心なら「60または30のいずれか、高解像度を優先」を選びます
- 配信情報:
- サービス:「YouTube - RTMPS」または「Twitch」を選びます
- 「アカウント接続 (推奨)」を押すと、ブラウザでログインするだけで配信先とつながります。うまくいかない場合は「ストリームキーを使用」を選び、後で説明する配信キーを貼り付けます
- 「帯域幅のテストでビットレートを推定する」にチェックを入れると、回線の速さからビットレートを決めてくれます(Twitchでは配信テスト用のモードで測るので、視聴者には映りません)
- 「ハードウェアエンコードを優先する」はチェックを入れたままにします
- 最終結果:表示された設定を確認して「設定を適用」を押します
ウィザードの結果は「土台」です。このあと、次の章で中身を確認して整えます。
4. 映像の設定(解像度とFPS)
ファイル → 設定 → 映像(または右下の「設定」ボタン → 映像)を開きます。
- 基本 (キャンバス) 解像度:OBSの中で画面を組み立てる大きさです。「1920x1080」にします
- 出力 (スケーリング) 解像度:実際に配信・録画される大きさです。パソコンや回線に余裕があれば「1920x1080」、重い場合は「1280x720」に下げます
- 縮小フィルタ:出力を小さくするときの縮め方です。「ランチョス」か「バイキュービック」がきれいです(解像度が同じなら使われません)
- FPS 共通値:1秒あたりのコマ数です。動きの多いゲームは「60」、雑談やお絵描きは「30」で十分です
用語メモ:解像度は画面の細かさ、**FPS(フレームレート)**は動きのなめらかさです。どちらも上げるほど、パソコンと回線に負担がかかります。
5. 出力の設定(エンコーダとビットレート)
設定 → 出力 を開きます。一番上の「出力モード」は、最初は「基本」のままで大丈夫です。
エンコーダを選ぶ
エンコーダは、映像を配信用に圧縮する係です。「配信」の欄にある「映像エンコーダ」で選びます。
- NVIDIAのグラフィックボードがある:「ハードウェア (NVENC, H.264)」
- AMDのグラフィックボードがある:「ハードウェア (AMD, H.264)」
- Intelの内蔵グラフィックスを使う:「ハードウェア (QSV, H.264)」
- 上のどれも出てこない:「ソフトウェア (x264)」(CPUで圧縮するので、パソコンが重くなりやすい)
VTuberの配信は、アバターを動かすソフトとゲームを同時に動かすので、パソコンの負担が大きくなりがちです。選べるならハードウェアエンコード(NVENCなど)がおすすめです。HEVCやAV1も選べる場合がありますが、まずはどの配信先でも使えるH.264で始めると安心です。
ビットレートを決める
ビットレートは、1秒あたりに送るデータの量です。高いほどきれいになりますが、回線に余裕がないとカクついたり止まったりします。「映像ビットレート」に数字(kbps)を入れます。
YouTubeの推奨値(YouTubeヘルプ「ライブ エンコーダの設定、ビットレート、解像度を選択する」より。H.264の場合)
| 解像度・FPS | 映像ビットレート(最小〜推奨) |
|---|---|
| 720p・30fps | 3,000〜8,000 kbps |
| 720p・60fps | 3,000〜8,000 kbps |
| 1080p・30fps | 5,000〜14,000 kbps |
| 1080p・60fps | 6,000〜17,000 kbps |
Twitchの推奨値(Twitchヘルプ「配信ガイドライン」より。2026年10月7日に確認)
| 解像度・FPS | 推奨の映像ビットレート |
|---|---|
| 720p・30fps | 3,000 kbps |
| 720p・60fps | 4,500 kbps |
| 1080p・30fps | 4,500 kbps |
| 1080p・60fps | 6,000 kbps |
YouTube・Twitchとも、レート制御はCBR(固定ビットレート)、キーフレーム間隔は2秒です。Twitchの音声は最大160 kbps(AAC)です。
始めのうちは、次のくらいから試すと失敗しにくいです(目安)。
- YouTube:1080p・30fpsなら 6,000〜8,000 kbps、1080p・60fpsなら 9,000〜12,000 kbps
- Twitch:上の表の値のまま(1080p・60fpsでも6,000 kbps。これ以上は上げない)
ネット回線の上り(アップロード)速度が、ビットレートより十分に速いことが前提です。速度測定サイトで上りの速さを測り、ビットレートが上り速度の半分くらいに収まるようにしておくと安心です(目安)。
音声ビットレート
「音声ビットレート」は「160」(kbps)のままで大丈夫です。YouTubeの推奨はステレオで128 kbpsです。
詳細モードで確認したいところ(慣れてきたら)
「出力モード」を「詳細」にすると、「配信」タブでさらに細かく決められます。
- レート制御:「固定ビットレート (CBR)」にします。ビットレートが一定になり、配信が安定します
- キーフレーム間隔:「2」秒にします(YouTube・Twitchとも2秒を推奨しています。0は自動)
- プリセット(NVENCの場合):「P5: Slow (高品質)」あたりから始め、重ければ「P4」「P3」に下げます
6. 配信キーを設定する
ウィザードで「アカウント接続」をした場合は、この手順は要りません。**ストリームキー(配信キー)**は、OBSと自分のチャンネルをつなぐ合言葉です。
YouTubeの場合
- YouTube Studioを開き、右上の「作成」→「ライブ配信を開始」を選びます(初めての場合、ライブ配信が使えるようになるまで最大24時間かかることがあります)
- ライブ管理画面の「ストリームの設定」にある「ストリームキー」をコピーします
- OBSの 設定 → 配信 で、サービスを「YouTube - RTMPS」にし、「ストリームキー」の欄に貼り付けて「OK」を押します
Twitchの場合
- Twitchの「クリエイターダッシュボード」→「設定」→「配信」を開きます
- 表示されている「ストリームキー」をコピーします
- OBSの 設定 → 配信 で、サービスを「Twitch」にし、「ストリームキー」の欄に貼り付けます
配信キーは誰にも見せないでください。 知られると、他人があなたのチャンネルで配信できてしまいます。配信中に設定画面を映さないよう注意し、漏れたかもと思ったら、YouTube・Twitchの画面でキーをリセットしましょう。
7. 録画の保存形式(mkvで録って、mp4に変換する)
配信を録画しておくと、切り抜きやアーカイブ編集に使えます。設定 → 出力 の「録画」の欄で設定します。
- 録画ファイルのパス:保存先のフォルダを選びます。空き容量の多いドライブがおすすめです
- 録画品質:最初は「高品質、ファイルサイズ中」を選びます(「配信と同じ」にするとパソコンの負担は軽くなりますが、配信と同じ画質になります)
- 録画フォーマット:「Matroska Video (.mkv)」を選びます(今のOBSの初期設定は「Hybrid MP4 (.mp4)」です。理由は下で説明します)
なぜmkvがいいの?
OBSの公式ガイドでも、録画はmkvがすすめられています。通常のmp4は録画を正しく止められなかった場合(OBSが落ちた、停電したなど)に、ファイル全体が再生できなくなることがあります。mkvなら、それまでに録れた分は残ります。
ただ、mkvは動画編集ソフトによっては読み込めないことがあります。そこで、録画が終わったらmp4に変換します。この変換を 再多重化(リマックス) といいます。画質は落ちず、数秒〜数分で終わります。
- 手動で変換する:ファイル → 録画の再多重化 を開き、「OBS 録画」の欄にmkvファイルを選んで「再多重化」を押します
- 自動で変換する:設定 → 詳細設定 → 録画 の「自動的に mp4 に再多重化する」にチェックを入れると、録画を止めるたびにmp4も作られます
OBS 30.2で追加された「Hybrid MP4」は、落ちても壊れにくく、編集ソフトでも読み込みやすいmp4の形式で、今のOBSでは録画フォーマットの初期設定になっています。変換の手間を省きたいなら、初期設定のHybrid MP4のまま使うのもひとつの方法です。
8. 本番の前にテストする
設定が終わったら、いきなり公開配信をせず、テストしましょう。
- YouTubeは、ライブ管理画面で公開範囲を「限定公開」や「非公開」にしてテスト配信できます
- 録画ボタンで数分録画して、映像と音を確認するのも手軽です
- 配信中は ドック → 統計 を開くと、「ドロップしたフレーム (ネットワーク)」(回線が原因のコマ落ち)や「エンコードラグによりスキップされたフレーム」(パソコンの処理が追いつかないコマ落ち)が確認できます。数字が増え続けるなら、ビットレートや出力解像度を下げましょう
まとめ
- OBSは公式サイトから入れ、自動構成ウィザードで土台を作る
- 映像は1920x1080、FPSは30か60。重ければ出力を1280x720に
- エンコーダは使えるならハードウェア(NVENCなど)。ビットレートは配信先の推奨値と回線の速さで決める
- 配信キーは秘密に。録画はmkvで録って、mp4に再多重化
次に読む
次は、ゲームや作業画面を配信に映す方法と、録画の細かい設定です。